このニューズレターは著者デーヴィッド・アイクの承認を得て翻訳されたものであり、著作権は著者に帰属します。英語原文に興味がある方は、David Ickeのサイトから購読できます。
デーヴィッド・アイク・ニューズレター、2007年11月11日号
計算ずくめの大混乱 …
… 計算ずくめの大崩壊 …
みなさん、こんにちは。
ニュースというものは、目下のところ世界経済に関する潜在的な恐怖のシナリオで満ち溢れていて、すべて聞き覚えのある事柄ばかりだ。エコノミストやビジネスニュースの特派員が伝える「景気循環」などというナンセンスは無視しよう。すべては軍事行動のように動かされているのだ。
まず第一に、このニューズレターの読者に語る必要もないのだが、経済システムは完璧なまでに徹底して、とことん容赦なく狂わされている。それは、精神病者の隔離病室に入れるほかない程だ、と述べておかなければならない。
あるいは、その意図するところが少なくとも人類あるいは私たちが分かち合う環境のために本当に役立つものであったらいいだろう。ところが、経済システムの全構造が地球人類を奴隷化するためのものだとしたら、明らかに気違いじみたあり方が、実は、輝かしい栄光に包まれたものとして出現する。
たとえば、住宅のような、人間にとって必要な基本財までもが投機の対象とされ、その価格が上昇したら、素晴らしいこととしてもてはやされる。逆に下落すると、それは大災害だということになる。
人々が必要とするものを優先するなら、住宅のコストを低く抑えておくことはとりあえずの目標となるだろうし、その範囲内で常時居住する家屋のローンについては利息を課さない制度が望ましい。金(かね)に利息をつけることはいずれにしてもペテンなのだ。どうして、現実には存在せず理屈の上にしか存在しない借入金の利息を取り立てることが出来るのだろうか?
住宅ローンは、正気で品位ある社会であれば制度運営に必要な事務所経費と人件費をまかなうための初期費用のみで貸し付けることができたらいい。そうすれば、住宅を購入するコストは利子を払う必要がなくなるので一夜にして下落するだろう。
しかし、これは人々を奴隷化するのではなくて、力添えするものなので、だから実現しない。
私は、ワイト島に小さなアパート(flat)の部屋を所有している。大変気に入っているのだが、その価格は市場に振り回されて上昇したり下降したりする。ところで、それらの価格が上昇しないと聞いたらうれしくなるのは私だけなのだろうか?そうなったら、不動産価格の上昇など私たちにほとんど必要としなくなる、そんな世界に住みたいとつくづく思っている。
何よりも、私にとっては、アパートをどう使用するかが主たる関心である。誰かに売って他を借りるのであれば話は違うが、もし今と同等かそれ以上のものを買うのであれば、すべての不動産は連動して値上がりしているのだから、アパートの値上がり分は帳消しになってしまう。
「すばらしいことだ。私の家は買ったときよりもこんなに大幅に価格が上がっている」。よ〜し、仲間の家も他の人の家もみなそうだ。すると、はじめて家を買おうとする貧しい男たちや、どこにも住むところすらない連中はどうなるのだろう??
エセル、そんな連中は見捨てろ、早くハシゴを引き上げるんだ。
すべてばかばかしい話だが、すべてがメチャクチャになっている。公正と正義に良いことがあらゆる面で経済にとって悪いことになっている。公正と正義はそのための方法であるはずなのに。金に利息を課すことは、私たちが世界中で目にするように、落ちぶれた人々や「経済的敗者」を作り出す、まさしくそうした仕組みなのだ。
明らかな事実はこうだ。銀行が貸付を行なうと、コンピューターの画面上に(回線に入力して)貸付金の金額が「創り出される」。コンピューターの画面が、その貸付金に対して支払うべき利息を創り出したりはしない。このことが意味するところは、グローバル社会のあらゆるレベルで行なわれる貸付金に対して、元本および利息を返済するための十分な「金」などない、ということだ。
支払不可能な負債、破産および経済的破局の犠牲となる人々にとって、これらは体制に組み込まれたものである。しかも意図的に、だ。まさしく、こうなっているのだ。
景気は、経済を牛耳っている少数のエリートたちが思うように上昇させたり下降させたりできる。全く単純に、金を供給すれば好景気が起こり、金を引き揚げればつぶれてしまう。
金の供給量を誰が操っているのだろうか?それは銀行が、どれだけの量の貸付を行なうかを決める。というのは、「貸付」という信用(金は決して実在しなかったし、現在も実在しないのであり、将来も文字通り実在しないだろう)の発行は、私たちが「金」と呼ぶ大部分のものがどう供給されるか、なのだ。
私が著書およびウェブサイトの文献資料庫の中で、「無から出てくる金」と題したニューズレターで述べたように、金はコンピューターの画面上の、理屈の上の数字に過ぎないのだ。しかし、こうした数字が物とサービスの交換単位として用いられているのであり、使える金が少なければ少ないほど、購入できる物やサービスも少なくなる。それが起こると景気は悪化する。
「金」をいくら作り出して供給させるかを決定でき、さらに政府と中央銀行のネットワーク組織を使って、借り手が支払うべき利息の額を決められる権限を握っていれば、景気を操ることなど朝飯前だ。金利を引き下げると物やサービスを買うために流通していく金が増え、(経済活動を増大させ、雇用機会を増やす)金利を引き上げれば逆の作用を生む。というのも、人々の金がより多くの銀行に還流するからだ。
好景気と不景気の違いは何だろうか?たった一つ、供給されている金の額だ。銀行は金の供給をコントロールし、そうすることで好景気と景気の落ち込みを意のままに演出できるのだ。私たちは、連中がとてつもない経済崩壊の引き金を引こうとしている渦中にあり、その瞬間は刻一刻と迫っているのだ。
これら少数の富豪たちが証券と銀行のシステムにおいて一日で数兆ドルも動かし、そして市場が上げるか下げるか、暴騰するか暴落するかを決めている株式市場においても事は同じだ。株式市場の暴落が何もなしに起こることなどない。「引き起こされる」のだ。連中はこうした市場に金をそれだけたくさん投資しているというのに、どうしてそんなことをするのだろうか?そう、自ら市場を暴落させようとたくらんでいる連中は、暴落が近づいているとわかっていれば、株価が最高値に達したところで株を売り抜ける。ひとたび暴落すれば買い戻せばいいと知っているのだ。このように、自ら操作して引き起こす崩壊の前にコストを小さくして会社を買収することで持分を大量に増やすことができるのだ。
Nathan Rothschild
その最も厚顔無恥な実例は1815年のワーテルローの戦いにおける、ネイサン・ロスチャイルドだ。状況はシンプルだ。イングランドのウェリントン公爵が戦いに勝つとしたら、ロンドン証券取引所は暴騰するだろう、そしてフランスの総帥ナポレオンが勝利するとしたら、暴落するだろう、となっていた。
ロスチャイルド一族は、秘密裏かつ迅速に通信を行なう暗号と伝書鳩を使った広大なネットワークを駆使し、ヨーロッパで最もすばやく駆け巡る、と名高い情報活動およびスパイ活動を動かしていた。この諜報網は、果てはCIAおよび英国諜報組織の現代版と同様に今日のイスラエルの諜報部となっているモサドにつながっていくものであった。上層部においては、これらの組織はすべて同一のものなのである。
1815年、ロンドン証券取引所の投資家たちは、ロスチャイルドの諜報組織は英国政府の諜報組織よりも上を行っていると知り、戦場が荒れ狂う中、すべての人々の眼差しが、何が起こっているのか、サインを見逃すまいと一族のロンドン支部のドンであるネイサン・ロスチャイルド゙に注がれていた。勝ったのはウェリントンか、それともナポレオンだったのか、と。
ロスチャイルドは、代理人たちに自身が所有する株式の売却を始めるように指令を出した。そうしたら、ウェリントンが敗れたことをロスチャイルドが知ったに違いない、とみんな思い込み、そう思い込んだ人々は続々と売りに出した。市場は崩壊し、パニック状態に陥り、人々は財産を失ってしまったが、ロスチャイルドだけは違った。暗号による新たな指令を代理人たちに出し、ウェリントンが戦いに勝利したという公式の知らせがロンドンに届けられる前に、ロスチャイルドの代理人たちは株式を買い始めた。事実、通信網の力によってその間中、何が起こっていたのかをロスチャイルドはすべて知っていたのだ。
株価は暴騰し、ロスチャイルド一族はそれ以前と比べ、見積りでは、たった一日で数十倍にも富を膨らませたと考えられている。これは、操作がいかに行なわれたかを示すもので、そして操作は世界中で、特にウォール街とロンドン・シティおよび極東で毎日行なわれている。
連中は今、こうしたあらゆる術策を用いて、以前から計画してきた経済大動乱を時間をかけて準備しているところだ。
私たちは、借入を必要とするほとんどすべての人々に対して利率を低く抑えて貸付を行なうイルミナティの銀行カルテルがけしかけた「好景気」の時代を経験した。借り手が、所得や債務者の履歴から「正常な」ローンの基準をクリアしていない場合は、銀行カルテルは「サブプライム」と俗に呼ばれる市場に転じることが出来た。
このサブプライムローン(『プライム』ローンや正常なローンの基準等をクリアできない人々に向けたもの)は、境遇や履歴から見ると返済不能に陥る可能性の高い人々に対して、より高い利率で提供された。理屈を考えたら分かる。普通の利率で組む正常なローンを返済できるかどうかの基準をクリアできない人々であれば、もっと高い利息を払えるよね!
ああ、驚いた、全く呆れてしまう。ものすごい数の人々が返済不能となり、米国におけるこのサブプライム危機は何週間にもわたって報道され、英国のノーザーン・ロックを含むいくつかの銀行も深刻なところまで追い込まれた。
しかし、これこそが核心だ。金融制度は全体として見る必要がある。イルミナティの一族がこれらすべてを牛耳っているからだ。仕組まれて倒産させられた銀行は、人類支配の壮大なアジェンダのため、王や女王の犠牲にされてしまった将棋の駒にすぎないのだ。
近年のサブプライム市場での大儲けは、人々や会社がどんどん金を借りられるという自信を持っていた時代の金融のために、大量の、ものすごい金額の金を追加して供給した結果なのだ。借り手の方はどんどん借金漬けになっていき、エリートたちは引き締めに入るのを手ぐすね引いて待っている。
金は最初から借金として世界の経済で利用されてきた。それというのも、金は信用(画面上の数字に過ぎない『貸付』)の発行により行なわれるものなので、金がたくさん供給されればされるほど、借金がどんどん創り出されるからだ。ここで、ちょっと恐るべき数字を見てみよう。
米国のすべての債務は、個人、会社、政府あわせて50兆ドルほどにのぼっている。今年3月の時点で48兆ドルだったのが、その後急速に膨れ上がったものなのだ。3億人以上の人口を有する、このアメリカという国の、男、女、あるいは子供すべての一人につき、161,287ドルとなる。この借金は、2006年9月から一日あたり15億ドル近く増えてきている。
アメリカの負債総計(1957対2006)
出典: http://mwhodges.home.att.net/nat-debt/debt-nat-a.htm
このグラフからわかるように、アメリカの借金の合計は1957年と比較して70倍にも達していて、今日の借金のうち、72%にあたる35兆ドルが1990年以降に増えてしまったものだ。世界中で似たような話があるだろう。
これは、エリート一族たちが「大混乱から淘汰する」ために、中央集権独裁体制に世界を改造してしまうための、問題―反応―解決式の術策の一環として、見事な経済崩壊を冷酷なまでに計算ずくで行なってきたものだ。
こうして、経済で起こっていることが「テロとの戦い」に結び付けられる。イラクにおける内乱とイランを標的にした戦い、及び二酸化炭素が原因と喧伝される地球温暖化の大嘘だ。こうしたことは、そしてさらに他にも、あらゆることが権力の経済、軍事、政治のすべてにわたる地球規模の中央集権体制、ニュー・ワールド・オーダーという支配秩序につながっていく、目に見えてわかる混乱状態とそこから生じる恐怖感を演出するように企図されているものなのだ。
フリーメーソン・スコッティシュ・ライトの33階級の合言葉は、「大混乱のあとには支配秩序」:問題―反応―解決、の図式だ。
以下の表は、米国において国民所得に対し債務がどれほど増大してきたかを示している。そして、世界経済は崖っぷちに相手を追い詰めている漫画の主人公たちのようだ。けれど、人々のうちのひとりが崖の下を覗いて現実の状況を見るまで、気分を一新しながら前に進み続けている状況だ。
私たちは足元を見ないといけなくなるほど追い詰められつつある。
アメリカの負債総計対国民所得
システム全体が信用によって築かれ、また崩される。景気の動向に人々の自信があるうちは、投資も消費も行なわれる。人々の自信がなくなると、逆のことをするようになり、投資がコンスタントに行なわれなくなり、浪費となってカルタの家のごとく、システムが崩れ落ちる。
景気の先行きに自信があるかないか、誰が人々に言うことができるのだろう?それは、銀行や株式市場を牛耳って、そして政府の報道官やメディアをも支配するエリート一族だ。商品市場と呼ばれるカジノで富を成した男が私に語ったところでは、米国の民間人所有の「中央銀行」である連邦準備制度(FRB)の議長が声明を出す数日前に「大投機家」は常に大口の投資を行い、大口の売りを仕掛けるのに気づいたそうだ。
この男は、毎回、議長の発言の結果、大投機家たちが買ったものが値を上げ、売ったものが下がる、といっていた。どうしてだろう? そうした声明を書いているのは連中だからである。
崩落しつつあるドル相場を見ると、石油価格が世界経済に対して計算ずくで行なわれた攻撃の一環として記録的高値になっているのが分かる。これを成し遂げるのも、石油の供給量及び石油供給量を左右する出来事をコントロールすれば、大した事ではない。ドル相場の安定の話を聞かせておいて、数兆ドルの自らの金を引き出すことで、連中は石油価格も通貨の相場も両方とも決定してしまうのだ。
このことは非常に重要だ。というのは、これほど石油が上昇してしまうと、すべての物の製造にも、包装をしたり輸送したりするにも石油が必要だからだ。通貨の相場は物価に当然大きく影響するし、物価が上昇すると何が起こるだろうか?人々が同じ金額で買える物が少なくなってゆく。実際のところ、供給から金を出してくるのと同じ結果だ。カルタの家の如き経済は崩れ始める。
金融だけではなく、非常に多くの理由から、今は人々が生活を簡素化して、必要ないあらゆる種類のカバンを捨てる時期なのだ。あちこちのレベルでハリケーンに遭遇しているようなものだからだ。恐れるときではないが、強くなろう、私たちが分かち合っている現実のナンセンスをなくしてしまうためなら、試練に直面しなければならないことを理解するときなのだ。
ひとつ大事なことを忘れないでいよう。経済やその他のことに関して、グローバルなレベルでは「偶然」などないのだ。何か起こったら、それは起こるように仕組まれていたのだ。
(翻訳チーム:ゴルトしまじろう)
7/7 Ripple Effect
A film looking at the background to the London bombings – very good
ロンドン爆撃の背景
クリックして見る …
このニューズレターは著者デーヴィッド・アイクの承認を得て翻訳されたものであり、著作権は著者に帰属します。英語原文に興味がある方は、David Ickeのサイトから購読できます。
【註】
米国の負債は、一九五七年、六九三〇億ドル。二〇〇六年、四十八兆三六四〇億ドル。
と言うグラフを、アイクは引用する。
つまり、五十年間に、米国の負債は、約七十倍、と。
「私たちは、連中がとてつもない経済崩壊の引きがねを引こうとしている渦中にあり、その瞬間は、刻一刻と迫っているのだ」と。
アイクのことばはその通り。
「連中は今、こうしたあらゆる術策を用いて、以前から計画してきた経済大動乱を時間をかけて準備しているところだ。」
これもその通り。
「連中」とは、アイクの言ひ方では、「イルミナティ」であり、ジョン・コールマンによれば「三百人委員会」である。
この「連中」は、今、仕掛けつつある経済大崩壊のあと、どうしようとして居るのか。
ジョン・コールマン博士によれば、三百人委員会は、二〇五〇年までに、地球人口の八割を「殺処分」する。そして、残りの十億人を、完璧に管理された世界監獄、世界人間牧場の中に駆り立てて行く、と。
そして、この地球人口八割殺処分のための最高の本格的な作戦は、世界経済大恐慌であり、世界経済大恐慌は、第三次世界大戦へと誘導されると。
これは「隠謀」か。
そうだ、これは「隠謀」だ。
その隠謀を仕掛けるのは誰か。
それは、ピラミッドの頂点である。
ピラミッドの頂点には誰が居るか。
アイクは、「大いなる秘密」(邦訳、三交社、上下二巻)、「マトリックスの子供たち」(邦訳、徳間書房『竜であり蛇であるわれらが神々』)の中で、それを詳述して居る。
米国は、五十年の間に、負債を七十倍にする合理的必然性がどこにあったのだろうか。
イルミナティ(三百人委員会)は、ワンワールドNWOを実現すべく、第二次世界大戦後、世界的超大国として登場した米国を消耗させ、ズタズタボロボロにして、御用ズミの荒廃物に突き落とすための長期戦争を必要としたのである。
(了)
「太田龍の時事寸評より抜粋」
平成二十年(二〇〇八年)五月八日(木)
(第二千四百十四回)
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